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ハーマン・デイリーの3条件

ハーマン・デイリーの3条件とは、元世界銀行チーフエコノミストのハーマン・デイリーの「物質とエネルギーのスループットの持続可能な限界」を定義する3つの条件です。


1)「再生可能な資源」の持続可能な利用速度は、その資源の再生速度を超えてはならない。

たとえば、魚を獲る速度が、残りの魚が繁殖して数が増える速度を超えていれば、持続可能ではありません。


2)「再生不可能な資源」の持続可能な利用速度は、再生可能な資源を持続可能なペースで利用することで代用できる速度を超えてはならない。

たとえば、石油を持続可能なペースで利用するためには、石油使用による利益の一部を風力発電、太陽光発電、植林に投資しつづけ、埋蔵量を使い果たした後も同等量の再生可能エネルギーを利用できるようにすることが必要です。


3)「汚染物質」の持続可能な排出速度は、環境がそうした汚染物質を循環し、吸収し、無害化できる速度を上回ってはならない。

たとえば、持続可能な形で下水を、川や湖、地下の帯水層に流すには、バクテリアなどの有機物が、水生生態系を圧倒したり、不安定にしたりすることなく、下水の栄養分を吸収できる速度を超えてはいけません。


参考文献:ドネラ・メドウス他著, 2005, 『成長の限界 人類の選択』, ダイヤモンド社

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