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不経済成長(Uneconomic Growth)

不経済成長とは、経済成長のマイナス面(限界費用)がプラス面(限界便益)を上回るにもかかわらず経済成長を続けることで、元世界銀行チーフエコノミストのハーマン・デイリーは「現在の経済成長はすでに不経済成長になってしまっている」と述べています。不経済成長を避けるには、「限界費用」が「限界便益」を上回らないようにすることが必要です。


「限界費用」「限界便益」は、ミクロ経済学で使われる用語で、限界費用とは、財やサービスを新たに1単位生産するのに必要な費用のこと、限界便益とは、新たに1単位生産することにより得られる便益のことです。マクロレベルのGDPの成長にこの考え方を導入すると、この費用と便益の関係は図のようになります。


GDPが1単位成長するごとに、限界費用は増加していくのに対して、限界便益は減少していく傾向があります。費用が便益を上回るのを避けるためには、限界費用と限界便益が等しくなる時点で、GDPの成長を止めるべきです。費用が便益を下回っていれば、GDP成長は経済的であるのに対して(グラフの緑色の部分)、費用が便益を上回ると、GDP成長は不経済になります(茶色の部分)。


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参考:CASSE, Downsides of Growthのサイト(英語)

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