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地球の境界(プラネタリー・バウンダリー)2.0

2015年1月、「地球の境界(プラネタリー・バウンダリー)」の最新版が発表されました。


「地球の境界(プラネタリー・バウンダリー)」とは、「その境界内であれば、人類は将来世代に向けて発展と繁栄を続けられるけれども、それを越えると、急激な取り返しのつかない環境変化が生じる可能性がある」境界のことです。2009年に9つの境界と測定結果が発表されました。今回発表されたのは、この最新版です。


図は2015年版の「地球の境界」の全体像を表したものです。図の外側に書かれているのが、9つの境界で、一番上から時計回りに、「気候変動」、「新規物質の導入」、「成層圏のオゾンの破壊」、「大気エアロゾルの負荷」、「海洋の酸性化」、「生物地球化学的な流れ(窒素とリンの循環)」、「淡水利用」、「土地システムの変化」、「生物圏のインテグリティ(完全性)の変化」です。


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Copyright Stockholm Resilience Centre All Rights Reserved.

翻訳:幸せ経済社会研究所


2015年版では、「生物多様性の損失」が「生物圏のインテグリティ(完全性)の変化」に、「化学物質による汚染」が「新規物質の導入」に名称が変更されました。「生物圏のインテグリティ(完全性)の変化」という名称は、生態系の機能に対して人間が与える影響を強調したものです。そして「新規物質の導入」という名称は、人間は新たなテクノロジーを通して地球のシステムに影響を与えることができることを反映しています。また、化学物質による汚染だけではなく、放射性物質やナノマテリアルなどの放出にも注意を払う必要性も考慮されています。


2015年版の測定の結果、「気候変動」、「生物圏の完全性の変化」、「土地システムの変化」、「窒素とリンの循環」の4つで、境界を超えていることがわかりました。また今回は、地球レベルだけではなく、地域レベルについても、「生物圏の完全性」、「生物地球化学的な流れ」、「土地システムの変化」、「淡水の使用」の4つの境界で開発されています。


*2009年に発表された地球の境界(プラネタリー・バウンダリー)の説明はこちら
http://ishes.org/keywords/2014/kwd_id001451.html


*「地球の境界」について、詳しくはストックホルム・レジリエンス・センターのサイト(英語)をご覧下さい。


ストックホルム・レジリエンス・センターのサイト(英語)
http://www.stockholmresilience.org/download/18.6d8f5d4d14b32b2493577/1459560273797/SOS+for+Business+2015.pdf

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