ないものはない
人口2300人弱の島根県隠岐郡海士町が2011年に掲げたスローガンです。
「ないものはない」には2つの意味があります。「ないのだから、仕方がない」という意味と、「すべてある」という意味です。「ない」と「ある」と矛盾した語に聞こえますが、海士町ではこの両方を実践しています。
たとえば、海士町にはデパートも、コンビニも、映画館もありません。若者が楽しめるおしゃれなバーもクラブもありません。30年前、まさしくだからこそ、青年団活動が非常に盛んになりました。「ない」ことを嘆くのではなく、「楽しいことがないなら、自分たちで作り出そう」と、手作りのビアガーデンや島を挙げての綱引き大会などが次々と始まったのです。みんなで創り出す楽しみ、創意工夫と強い絆が地域の活気を作りだしているのです。「ない」けど、幸せに必要なものは「すべてある」ことが伝わるでしょうか?
地球のためにも人々の幸福のためにも、先進国は、大量生産・大量消費モデルや、経済成長追求モデルから脱却する必要があります。海士町の「ないものはない」は、そのために役立つ新たなモデルの一つだと考えています。
幸せ経済社会研究所では2018年6月14日、香港で開催されたクオリティ・オブ・ライフ研究国際学会(International Society for Quality-of-Life Studies)の年次大会に海士町の方々とともに参加して、枝廣淳子が「ないものはない:海士町が世界に送る『知足』の考え」と題した学会発表を行いました。
発表原稿はこちら。
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