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ロジャースのイノベーション普及理論

新しいアイデアや新しい道具は、どのようなプロセスで社会に普及するのでしょうか。米国の社会学者のE・M・ロジャース(1931-2004)のイノベーション普及理論を紹介します。

ロジャースによると、イノベーション(新しいアイデアや行動様式、物)の採用者の数は、直線的に増加するのではなく、最初は非常に少なく、その後徐々に伸び率が高くなり、最後にまた緩やかになる」という「つり鐘」のような正規分布の分布曲線になります(図)。

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その採用者はイノベーター(2.5%)、アーリー・アドプター(13.5%)、アーリー・マジョリティ(34%)、レイト・マジョリティ(34%)、ラガード(16%)の5つのカテゴリーに分けられます。イノベーターは新しいアイデアを社会に入れるゲート・キーパーの役割を果たす冒険的な人々です。それに続く、アーリー・アドプターは、その社会のオピニオン・リーダーであり、他のメンバーの役割モデルになるとロジャースは論じています。


ここからイノベーター(2.5%)とアーリー・アドプター(13.5%)をあわせた16%の人たちが、イノベーションを採用することが、社会に普及する上で重要と言われています。

16%ということは、約6人に1人がイノベーションを採用していることになります。6人に1人だと、感覚的にも「あ、この人もそうなんだ!」と思える数字です。また、全員の考え方を変えようと思うと大変ですが、「まずは16%を変えればよい」と思うと、働きかけもしやすくなるのではないでしょうか。

参考
E.M.ロジャース(著)、青池慎一・宇野善康(監訳),1990『イノベーション普及学』産能大学出版部

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