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Case.22

「飢え」と「食品ロス」の問題を解決するデイリーテーブル

2015年6月4日、米国のボストン市ドーチェスターの住宅地域にデイリーテーブル第1号店がオープンしました。デイリーテーブルは非営利の小売店で、コミュニティにおいしくて便利、かつ手頃な価格の食品を提供するお店です。

デイリーテーブルが扱うのはすぐに食べられる出来合いの食べ物や選りすぐりの農産物、パン、乳製品などの食料品で、それらはすべて誰もが手の届く価格に設定されています。また、お店は会員制ですが、コミュニティの誰もが利用でき、会費は一切かかりません。

お店は清潔で明るく、フレンドリーな雰囲気で、店内で扱われる食料品の多くは、毎日店のキッチンで準備された新鮮なものです。商品を誰にでも手頃な価格に維持できるのは、生産者やスーパー、メーカーなど提供してくれる人たちの大きなネットワークがあるからです。そういった提供者は、米国中で知られるお店の地元小売店や地元の生産者などさまざまですが、その数は現在もさらに増えつつあります。彼らは健康的な食べ物で余ったものを寄付したり、特別な購買チャンスを提供したりしています。

米国では実際、生産された食料品の40%が捨てられているといいます。一方で、健康的な食生活を送るのに苦労している人々が大勢いて、ここに「食料のパラドックス」が生じています。また最近では初めて、そういった健康的な食べ物を満足に買えない人々の多くが肥満であることがわかりました。果物や野菜、乳製品、たんぱく質といった摂るべき食品を買う余裕がないからです。

デイリーテーブルの食料品はファーストフード店並の値段に押さえてあるため、どの家庭も収入の範囲内でより健康的な食べ物をたやすく手に入れることができます。店に並ぶすべての食べ物は、一流の栄養専門家たちがデイリーテーブルのために設定したガイドラインを満たしているため、お店の客は食べ物に関してすぐれた選択をしやすくなるのです。お店はまた、こうした食料品を顧客の尊厳を尊重する形で提供することに心をくだいているといいます。

こうしたお店の取り組みによって、厳しい経済事情から生じる良くない食習慣の影響を減らすことができ、同時に廃棄される食べ物とそこに使われる貴重な資源が環境に及ぼす影響も減らすことができます。お店は、一つの対策で「飢え」と「食品ロス」の二つの問題を解決できるという信念のもと、この新たな形態の事業に取り組んでいるのです。

創始者のダグ・ラウシュ氏は米国のスーパーマーケット、トレーダー・ジョーズの元社長で、今後はボストンの市街地区や米国内のほかの都市にもお店をオープンしていく予定だといいます。

 

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