イーズについてのご案内です。
有限会社イーズについて
企業・組織の方へ

注目の取り組み事例

ホーム > 注目の取り組み事例 > 村長主導でトランジション・タウンを実現:フランス ウンガースハイム村

Case.47

村長主導でトランジション・タウンを実現:フランス ウンガースハイム村

英国トットネス地方で2006年に始まったトランジション・タウンの活動(持続可能な社会へ移行を目指す市民運動)は、現在では世界中に広がり、日本でも約50 の地域で活動が行われています。この活動は市民による「草の根」運動として知られていますが、フランス北東部のウンガースハイム村では、村長主導のトランジション・タウンが実現しています。トランジション・タウン運動の創始者、ロブ・ホプキンス氏がこの村を2015年に訪れた際の記事を、トランジション・ネットワークの許可をいただき、要約して紹介します。


「地方自治体がトランジションに挑戦したら、どんな風になるのでしょうか?」そんな質問を受けることがあります。フランス、アルザス地方のウンガースハイム村を訪れた今、この質問に答えることができます。

私がこの村を訪れたのは、村長のジャン=クロード・メンシュ氏とウンガースハイム村に招かれ、「トランジション会議」で講演するためでした。ウンガースハイム村では、数年前に映画「In Transition1.0」をみる機会があり、それがきっかけで「それだったら、もう取り組んでいるじゃないか。だったらトランジション・タウンになろう」とった調子で、トランジション・タウンになりました。このような形で地方自治体によってはじめられたトランジションの活動を、他に聞いたことはありません。

ウンガースハイムは、カリウムなどの原料が採れる鉱山の村として長い歴史を持ち、現在は約2,000人が暮らしています。最盛期にはこの地域で13,000人が雇用されていましたが、2003年に最後の鉱山が閉山しました。フランスは、世界の中でも首長がかなりの力を持つ国です。この国の村長がトランジションに刺激を受けて成し遂げたことは、目を見張るものがあります。下のリストは、ウンガースハイム村ですでに行われていることです。

  • より進んだ参加型民主主義を導入する
  • フェアトレードタウンになる
  • 再生可能エネルギーに関する市民のフォーラムをたちあげ、フェッセンアイム原子力発電所の閉鎖を求めるキャンペーンを行う
  • 木質バイオマスボイラーを導入し、プールの温水と近隣の建物の暖房に使用する
  • 5.3メガワットの太陽光発電施設を備えた工業団地「Helio Parc 68」を建設する(この土地は、元は鉱山関係の廃棄物が捨てられていた場所でしたが、整地され、アルザス地方最大の太陽光発電所を備えた産業地区になりました)
  • 村中のすべての公共の電灯を省エネ型の電球に変え、また深夜0時以降に消灯する街灯をもうけることで、エネルギー消費を40%減らす
  • すべての公共の建物のエネルギー消費を測定する
  • 村が所有する全ての土地を、コハウジング(共住)プロジェクトに使用できるようにする
  • 公共の場所で殺虫剤と除草剤を全面的に禁止する
  • 公共の建物のすべての清掃用品をエコなものに変える
  • 地元の食料生産を助けるために馬を購入する。地元の子供たちが学校に通うためのバスとしても用いる
  • 調達方法を変えることで、地元の小学校で、スナックも含めて、100%オーガニックの給食を毎日供給する
  • 村が所有している土地のうち8ヘクタールを菜園にし、64種の野菜を育て、バスケット250個分の食料を毎週地元の家庭に供給し、毎週5つのマーケットに出店する(菜園はまた、仕事のない若者をトレーニングし、サポートする場でもあります)
  • 地元で採れた食料を缶詰にする事業を始めることで、入手可能な範囲を広げる

その他、「太陽週間」のために、スイスのグリーンピースのグループを村長が招き、地元の高校生のグループと一緒に、すべての屋根をマッピングし、高度や大きさなどを分析しました。計算の結果、すべての屋根にソーラーパネルを備えれば、村で必要なエネルギーの77%を満たすことがわかりました。また、この高校の屋上には、40Kwのソーラーパネルが設置されています。

こうしたストーリーは国内的にも国際的にも注目を集めています。実際、私が訪れたときには、ドキュメンタリー映画監督のマリー=モニク・ロバン氏がウンガースハイム村についてのドキュメンタリー映画を撮影中でした(公開は2016年)。また、ウンガースハイムの取り組みに刺激され、少なくとも新たに6つのトランジションの取り組みがウンガースハイムの周辺の村や町で始まったそうです。


(幸せニュース編集部より)「地方自治体でもこんなにたくさんの事ができるんだ!」と元気がでるウンガースハイム村の取り組み、その後の様子など、機会があればまたお伝えしたいと考えています。

(新津 尚子)

この記事は、Transition Town Networkのウェブサイトに掲載されているRob Hopkins氏の記事(Ungersheim, Village in Transition, France)の要約です。

 

Page Top