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Case.33

「市民を経済政策に巻き込もう!」 RSAの「市民経済評議会」

英国王立芸術・製造・商業振興協会(RSA)の市民経済評議会は、市民を経済政策に巻き込むためのプロジェクトです。このプロジェクトでは、市民は、専門家との質の高い討論を行いながら経済について学び、最終的に経済に関する自分達の意見を「憲章」にまとめ表明しました。2年間にわたるこのプロジェクトは先日終了し、2018年3月に最終報告書「経済の公共文化を構築する(Building a Public Culture of Economics)」が発表されています。

プロジェクトの中心は、市民が専門家の話を聞いた上で議論する「市民経済評議会」です。その他にも、地方を巡回してもっとも「取り残された」コミュニティやネットワークに働きかけるイベントや、クラウド・ソーシング、ステークホルダー・エンゲージメントなどが行われました。ここでは、市民経済評議会について、そのプログラムの内容をご紹介します。

市民経済評議会
市民経済評議会は、マンチェスターとロンドンの2都市で開催されました。参加者としては、マンチェスター近郊とロンドン近郊に暮らす、さまざまなバックグラウンドを持つ人々が選ばれました。そして同じメンバーが、5ヶ月間、5日間にわたり議論を重ねました。

プログラムの最初の2日間は、「社会・経済・市場」、「機関(銀行など)」といいったテーマに基づき、市民が専門家の話を聞いた上で、討論を行いました。この2日間は「経済について学ぶ」ことに重点が置かれたプログラムです。

3日目の午前中は、食料・農業、健康、交通の3つの分野の専門家を招き、財政支援や法令がどのような影響を与えるのかについての説明を聞きました。午後は、「雇用や経済成長」と「気候変動への対処への必要性」との間の対立に、技術革新がどのような変化をもたらすのかに焦点をしぼり、議論を行いました。3日目のプログラムは、自らの考えを「議論」することが重視されています。

4日目と5日目は、自分たちの考えをまとめることが求められました。4日目には参加者は、「市民経済憲章」の草案を考えました。最終日の5日目は、マンチェスターとロンドンの合同開催で、それぞれが作成した「市民経済憲章」の草稿を持ちより、ひとつの「市民経済憲章」にまとめました。

完成した憲章では、「公平性」「社会的に公正な社会」「社会貢献のための技術革新」「持続可能性(経済、環境、社会)」「権力と意思決定の取り戻し」などが謳われています。

評議会の参加者に行われたアンケート調査では、「同じ地域に暮らす人や専門家と経済について議論することは、投票者としての自信に、非常に大きな影響を与えた」と回答した人が、ロンドンでは38%、マンチェスターでは27%、同じ質問に対して「ある程度影響を与えた」と回答した人が、ロンドンでは40%、マンチェスターでは60%でした。合せると、ロンドンでも、マンチェスターでも、80%近くの人が、議論をすることによって投票者としての自信をつけたと回答しています。

このプロジェクトに中心的に関わったRSAのKayshani Gibbonさんにお話を伺ったところ、影響を受けたのは市民だけではなく、プロジェクトに参加した専門家も、市民からの影響を受けたとのことでした。例えば、プロジェクトに専門家として参加していたある銀行のトップは、最後のセレモニーで市民からの提案を受け容れたそうです! 市民と専門家が対話するこのプロジェクトは、市民だけではなく、専門家にも影響を与える大きな可能性をもったプロジェクトです。

 

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