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Case.37

「スマート」ツールで地域経済を支えるデジタルタウン

(Shareableより)

米国のデジタルタウン社は、地域社会の活性化を支援するプラットフォーム「デジタルタウン」(DigitalTown)を運営し、検索エンジン「スマートサーチ」を始め、買い物「スマートショッピング」、イベント・プロジェクト情報「スマートコミュニティ」、電子マネー決済「スマートウォレット」などの様々なデジタルツールを提供しています。デジタルタウンの取り組みについて最高経営責任者(CEO)、ロブ・モンスターのインタビューをかいつまんで紹介します。

デジタルタウンとはどのようなものですか?
ロブ・モンスター:デジタルタウンは市・町・村のスマートシティ化を支援するスマートシティ・プラットフォームです。地域社会が従来の「搾り取る経済」を回避して、地域でのショッピングやサービスの利用のために検索したり、シェアをしたり、取引をすることで、より多くのお金が地域内に留まります。つまり、デジタルコミュニティを成功させることによって地域社会を活性化できるのです。このプラットフォーム全体がブロックチェーンによって分散的に運営できるようデザインされています。

デジタルタウンのアプリを入れることで、どのようにして大型チェーンストアに対抗するのですか?
大型チェーンストアに優位にならず、公平な条件で対抗できるよう広告を掲載していません。大型チェーンのような広告主の多くは、自社サイトの広告が検索結果の上位に表示される有料リスティングサービスや、操作を行う検索エンジン最適化を巧みに利用しています。それに対して、当社のアプリの検索結果は、利用者にふさわしいものや利用者が最も信頼できる答えをもとにしています。

デジタルタウンでは、コミュニティがどの小売商が優れているかを知る能力をもつことが大切だと考えています。小売商はプラットフォームの利用者として、操作によるものではなく、本当の評価が高ければ、顧客に見いだされるチャンスが大きくなります。もし最初にひどい商いをすれば、検索結果の上位には出てきません。

デジタルタウンはどんな問題を解決しますか?
先に述べたように、ひとつ目はどんな商取引も勝者が最大の利益を獲得する強固な仕組みに集中した「搾り取る経済」の問題です。ふたつ目は広告経済への不平等なアクセスであり、中小企業はデジタルの世界で存在感を示す上で不利な立場にあるという問題です。

ほかにも、デジタル・アイデンティティの認証システムを作成し、誰がメッセージを送ってくるのか、誰がいくら利用者の口座からお金を徴収するのかを利用者が管理できるフレームワークづくりに取り組んでいます。

デジタルタウンが現在直面している課題は何ですか?
デジタルタウンのツールが採用される障壁となっているのがムーヴメントの拡大です。ゲームのルールを変えて非対称経済で成功する方法を紹介するシェアラブル(Shareable)のような組織と協力することは、変化を起こす理想的な立場にある情報媒体の好例と言えるでしょう。

大都市だけではなく、世界中に問題が蔓延しています。人口の大半はまだ小さな町に住んでいますが、経済的価値の大半が大都市で生じているのが原因です。また、町や村の畑で農産物を腐らせているという問題もあります。情報が非対称のせいで農産物を市場に出せないのです。デジタルタウンはこうした農家に必要なものです。新品か中古の赤ちゃん用品をアマゾンで買うか、地元の小売店で買うかを決断する消費者にもデジタルタウンが役立ちます。世界的なソリューションが求められると言えるでしょう。

※この記事は2018年8月にShareableに掲載されたCourtney Pankrat氏の記事の要約です。

(佐々 とも)

 

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