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Case.46

「化石燃料によって私たちの未来を危険にさらさないで!」米国の子どもたちによる訴訟

2019年6月4日、米国の21名の子どもたちが米国政府を相手に「化石燃料の使用を続けることで、私たちの未来を危険にさらさないで!」と起こした訴訟(ジュリアナ対アメリカ合衆国)について、法廷で争われるかどうかを決めるための口頭弁論が、オレゴン州ポートランドの控訴裁判所で開かれました。

この訴訟は、3万人以上の子どもたちと8人の連邦議会議員など多くの人々の支援を受け、大手メディアでも取り上げられるなど話題になっています。

この訴訟は、はじめから注目されていたわけではありません。2015年、当時8歳から19歳の21名の子どもたちが、「化石燃料の使用を続けることで気候変動が生じ、若い世代の未来が危険にさらされ、憲法上の生存権、自由権、所有権が侵害される」として米国政府を相手にした訴訟をはじめました。ただし、その当時は、裁判になる前に却下されるだろうと多くの人が考えていました。

しかし、それからの4年間、米国政府による訴訟取り下げや裁判延期の申し立てなどを、裁判所は繰り返し退けています。2018年には裁判の日程が一度は決められたものの、政府による申し立てのため延期されました。6月4日の口頭弁論は、こうした流れの中で行われたものです。法廷で争われるかどうかは、この数ヶ月の間に決定される見込みです。

気候変動から守られる憲法上の権利を若者たちは有しているのか、これからの争点になりそうです。

(新津 尚子)

 

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