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2014.07.17

生物多様性と文化の多様性の間の関係は?

生物多様性と文化の多様性の間の関係は?

Biocultural Diversity: Threatened species, endangered languages
http://d2ouvy59p0dg6k.cloudfront.net/downloads/biocultural_report__june_2014.pdf

(WWF Netherlandsより)

生物多様性と文化の多様性は、一般には異なるものと考えられています。ところが、WWF Netherlandsが2014年6月に発表した報告書『Biocultural Diversity: threatened species, endangered languages(仮訳:生物・文化的多様性――絶滅の危機にある種と言語)』は、特に種と言語に焦点を絞り、両者の間に類似点や対応している点があることを明らかにしています。

例えば、種も言語も1970年以降、世界全体で約30%減少しています。つまり「種の多様性」と「言語の多様性」は、同じような割合で失われつつあるのです。また生物と文化は、複製や淘汰などの働きによって、現在の姿に進化している点でも共通しています。

ただし、種と言語の減少の割合は、地域により異なります。例えばアメリカ大陸では、1970年以降、60%の言語が失われたり、危機的な状況におかれています。しかし、種については米国が含まれる新北亜区では、ほとんど変化は見られません。

こうした違いはなぜ生じるのでしょうか?

言語の多様性は「より広範囲で使われる言語」への移行により失われることが多いため、アメリカ大陸のようにヨーロッパの人々がたくさん移住している国々では、英語、スペイン語、ポルトガル語によって現地の言語が脅かされています。これがアメリカ大陸で言語の多様性が失われている一因です。

種については、北米では1970年以前に生息地破壊による生物多様性の損失が生じていますが、その損失はこの報告書の1970年以降の数値には表れません。また先進国で消費される自然資源は、発展途上の熱帯地域の資源によって支えられているので、豊かな国々での消費の増大は、熱帯の生物多様性の損失の一因となっています。

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