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世界
2018.09.15

ベーシックインカムの実験をまとめた報告書:実現に向けたツールキットとして

(英国王立芸術・製造・商業振興協会より)

ベーシックインカム(BI)についての議論で中心的役割を果たしている英国のシンクタンク、英国王立芸術・製造・商業振興協会(RSA)は、2018年8月3日、BIに関する3回目の報告書「英国におけるベーシックインカムの実現」を発表しました。今回は、本報告書が英国でのBI実験法を検討するためのツールキットとなることを意図しています。

近年、世界の多くの国や地域でBIの実証実験や導入がみられますが、BIには多くの異論があり、想定以上に複雑です。本報告書の成果は、一般的に広く受け入れられている理念(何らの条件を設けることなく、定期的に給付し、いったん給付したものは取り消されない)の上に構築されていますが、経済的、時間的制約や政策目標の違い、特に概念としての多種多様な解釈のせいで、こうした理念すべてを満たしている導入は今のところほとんどありません。

報告書では、これまでのBI実験の類型に、「家賃補助などの介入があるか」「地域通貨を用いるか」など、さまざまな変数を組み込んでカテゴリー化・体系化をしています。また、企画段階での評価や査定にも注力しています。こうした類型から判断・選択していくアプローチは、BIの可能性を考えるプロセス、そして最終的には実験の企画・遂行プロセスの両方を簡略化し、実現に向けた触媒作用を及ぼすでしょう。

本報告書がBI導入への「十分な理解」を生み出し、数多くの戸惑いや疑問の解明に役立つことを願っています。

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