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2019.06.12

フィンランドのベーシックインカム実験の暫定的結果:幸福感が向上、1年目では雇用への影響はなし

フィンランドのベーシックインカム実験の暫定的結果:幸福感が向上、1年目では雇用への影響はなし

Image by Sharon McCutcheon on Unsplash
https://unsplash.com/photos/rItGZ4vquWk

(フィンランドの社会保険庁より)

フィンランドの社会保険庁(Kela)は、2019年2月、ベーシックインカム(BI)実験の暫定的結果を発表しました。

フィンランドは、2017年1月から2018年12月までの2年間、BI実験を世界で初めて国として実施しました。2016年11月に、社会保険庁から失業給付金を受け取った人の中から無作為に選出された2000人(実験群)に毎月560ユーロ(約7万円)が支払われました(対照群は、同選出されなかった人)。

期間中、社会保険庁は、参加者の雇用状態と収入に関しては実験1年目の登録データに基づき、健康やストレスなど幸福に関わる項目に関してはBI期間終了直前の電話調査に基づき、BIの影響を調べています。

実験1年目の雇用状態に関して、実験群と対照群では雇用水準にほとんど違いはありませんでした(2年目の結果は2020年早期に発表)。収入については、自営業で収入を得ていた割合は、実験群が対照群よりおよそ1ポイント高く(43.70%と42.85%)、自営業での収入額は、実験群が対照群より年合計で21ユーロ少ないという結果になりました。

幸福に関わる項目では、健康状態が「良好あるいは大変良好」な人は、実験群で55%、対照群では46%でした。また、「高いあるいは大変高い」ストレスを経験した人は、実験群で17%、対照群では25%としているように、実験群は対照群より幸福感が高いという結果が出ています。

社会保険庁の研究主任Ylikännö氏は、「BIは、短期的には個人の雇用見込みを改善しないとしても、受益者の幸福に関しては、好ましい効果がある」と語っています。

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