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2020.03.20

「サステナブル・ミートを食べる」と「肉を食べるのを減らす」どちらがCO2排出量削減に効果的?

「サステナブル・ミートを食べる」と「肉を食べるのを減らす」どちらがCO2排出量削減に効果的?

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(Our World in Dataより)

個人の食生活で温室効果ガス排出量削減に貢献する一番の方法は何でしょうか? 肉や乳製品よりも植物性食品の方が排出量は少ないと言われますが、環境負荷の少ないやり方で生産された牛肉ならば、植物性のたんぱく質食品よりも排出量は少ないでしょうか?

答えは「ノー」。サステナブル・ミート(持続可能な方法で生産された肉)を食べるよりも、肉を減らして植物性たんぱく質を摂取するのが一番良いのです。肉を食べるのならば、牛肉よりも鶏肉や豚肉を選ぶことが効果的です。

これは、オックスフォード大学のジョセフ・プーア氏らが2018年に学術誌『サイエンス』に発表した研究のデータからわかります。この研究では、世界119カ国3万8,700の農場で生産されている食料についてサプライチェーン全体(土地利用から販売まで)の環境負荷を調べました。世界的な食料システムのメタ分析としては最大の研究です。

同研究からたんぱく質の違いによる温室効果ガス排出量を比べてみましょう。どのたんぱく質に対しても、排出量はある幅で算出されますので、「最大」と「最少」にも気をつけて見てください。

植物性たんぱく質100グラムあたり温室効果ガスの排出量(CO2換算、以下kgCO2eq)の「最大」ケースを見た場合、エンドウ豆は0.8kgCO2eq、ナッツ類は2.4kgCO2eq、豆腐で3.5kgCO2eqでした。

一方、動物性たんぱく質100グラムあたり「最少」の排出量は鶏肉が2.4kgCO2eq、次いで豚肉4.5kgCO2eq、牛肉9kgCO2eq、ラム肉12kgCO2eqの順でした。

植物性たんぱく質の「最大」値よりも、動物性たんぱく質の「最少」値の多くが大きくなっていることがわかります。また、動物性たんぱく質の「最少」値を見ると、鶏肉、豚肉、牛肉、ラム肉の順に大きくなっています。

牛肉の排出量の幅は、9~105kgCO2eqと調査した食料の中で最大でした。幅が大きい理由は、集約度や飼育方法などが多様なためです。特に最初から食用牛として飼育する場合は、乳用牛から最終的に食用にする場合に比べ排出量が60%多くなっています。

i_news_20200320_02.pngタンパク質を多く含む食品の温室効果ガスの排出量の比較(クリックで拡大表示)

※この記事は2020年2月にOur World in Dataに掲載されたHannah Ritchie氏の記事(Less meat is nearly always better than sustainable meat, to reduce your carbon footprint)の要約です。

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