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2022.04.28

英国:車の超低排出ゾーンをロンドン市全域に 市長、拡大計画を発表

英国:車の超低排出ゾーンをロンドン市全域に 市長、拡大計画を発表

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英国ロンドンのサディク・カーン市長は2022年3月4日、市をより環境にやさしく、健康的で交通渋滞が少ない都市にするため、超低排出ゾーン(ULEZ)を2023年に市全域へ拡大する計画についてロンドン交通局に検討するよう要請したと発表しました。

ULEZ制度では、市が定める超低排出基準を満たしていない車両が対象区域を通行する場合、1日12.5ポンド支払う義務が課されます。現在の対象区域は市中心部とそれを取り囲むインナーロンドンと呼ばれる地域のみ。それをアウターロンドンと呼ばれる周辺地域まで広げ、市全域に適用する考えです。

ロンドン市では交通渋滞による大気汚染が原因で、子どもの肺の発育不全や年間およそ4,000人の死者が発生しています。特に、市内の大気汚染関連死は現対象区域よりも対象外の地域で多い状況です。

現状から追加措置を講じなければ、今後30年間で大気汚染を原因とする疾患にかかる市民は約55万人、国の医療・福祉制度の累積コストは104億ポンドになると推算されています。

ULEZを市全域にすれば、市内を走行する最も大気汚染度が高い自動車の数が1日あたり今よりも2万~4万台減り、乗用車やトラックからの窒素酸化物排出量も285~330トン削減されると試算されています。

大気汚染の一番の被害者は最貧層であることから、市長は現状を社会正義の問題であるともとらえています。そのため、ULEZ市全域化による影響に対応できるよう、社会的弱者向けの支援策実施も約束しています。

(たんげ ようこ)

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