「ウクライナの人道支援拠点などに自転車を送ろう！」という国際キャンペーン「#BikesForUkraine」が、ウクライナのNGOの主導で行われています。

ロシアの侵略を受けたウクライナの都市では、公共交通機関が十分に機能しておらず、道路も破壊されており、燃料も不足しています。そのため、自転車が人道支援物資の配送や、重要なサービスを提供するための唯一の移動手段となっています。

U-Cycle、Eco MistoなどのウクライナのNGOが主導するこのキャンペーンでは、自転車コミュニティ団体や、国際機関、ヨーロッパの機関、自治体などに、自転車を購入して譲渡することや、中古自転車を回収・修理して、ウクライナに送ること、そして自転車や部品を購入する資金を寄付することを呼びかけています。

この呼びかけに応じて、欧州委員会やヨーロッパ自転車競技連盟、米国の自転車メーカーのTREKなど、多くの組織がアンバサダーとして支援をしています。

キャンペーンが始まってからわずか6週間で450台の自転車がウクライナに届けられました。その後、2023年6月までに、計1391台の自転車のほか、30,594ユーロ（約480万円）の寄付金が集められています。

集められた自転車はウクライナの48のコミュニティに届けられ、約半数をボランティアが活用している他、医療従事者などのソーシャルワーカー、地方自治体などにも届けられています。ただし、自転車が必要というリクエストはこれまでに2974件寄せられており、自転車はまだまだ必要です。

（新津 尚子）