
海産物に関わる企業のための海洋目標の枠組み、発表される

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SBTN(Science Based Targets Network:科学的根拠に基づく目標ネットワーク)は2025年3月18日、海産物に関わる企業のための科学的根拠に基づく海洋目標の枠組みを発表しました。
SBTNは国際NGOによって設立されたイニシアチブで、企業等が地球の限界内で社会の持続可能性目標に沿って行動できるようにする、利用可能な最善の科学に基づく、測定可能で実施可能な期限付きの目標「自然のための科学的根拠に基づく目標(SBTs for Nature)」を開発しています。
目標達成に向けた企業行動のステップとして、①評価、②先順位付け、③目標設定、④行動、⑤追跡が提示されており、今回は自社事業やサプライチェーンにおいて海産物に関わっている企業が利用できるステップ③の詳細が発表されました。
世界初となる今回の海洋目標は、淡水目標や土地目標に続くもので、大きく3つの枠組みがあります。
- 天然漁業を対象とした「乱獲回避・削減の目標」
- 天然漁業と養殖場を対象とした「構造的生息環境保護の目標」(サンゴ礁等の重要な海洋生息環境への悪影響を回避・軽減し、環境を復元・再生させるための目標)
- 天然漁業と養殖を対象とした「絶滅危惧種、絶滅危機種、保護対象種へのリスク軽減の目標」
これらの目標は、企業の海産物バリューチェーン全体における取り組みの新たなベンチマークとなり、各社が事業戦略に最新の海洋科学を組み入れるのに役立つとされています。
海洋目標は今後、海上輸送や沿岸・海洋ツーリズム等、他の主要産業へと対象が拡大される予定です。
(たんげ ようこ)
- この記事について詳しくはこちら(英語)
https://sciencebasedtargetsnetwork.org/news/news/sbtn-launches-first-ocean-science-based-targets-for-seafood/ - (参考リンク) SBTN海洋目標(Ocean Targets)については詳しくはこちら(英語)
https://sciencebasedtargetsnetwork.org/companies/take-action/set-targets/ocean-targets/