
2025.08.08
『2025年版 世界平和指数』公表される:17年連続でアイスランドが首位 最下位はロシア

Global Peace Index 2025
https://www.visionofhumanity.org/wp-content/uploads/2025/06/Global-Peace-Index-2025-web.pdf
2025年6月26日、オーストラリアに本拠地をおく経済平和研究所は、『2025年版 世界平和指数』報告書を公表しました。この指数は、163の国と地域を対象に、「安全とセキュリティ」「紛争」「軍事化」の3つの領域から平和の状態を測定し、ランキング化しています。
ランキングでは、アイスランドが2008年の初回発表以来、17年連続で「世界で最も平和な国」の座を維持しています。続く国はアイルランド、ニュージーランド、オーストリアです。これら4カ国はいずれも、初めて同報告書が発表された2008年も「最も平和な10カ国」にランクインしていました。なお、日本の2024年の順位は12位でした。
一方、下位の国を見ると、ロシアが「最も平和でない国」となり、続いてウクライナ、スーダンがワースト3でした。
2025年版報告書の主なポイントは以下の通りです。
- 過去1年間で、74カ国が平和度を向上させた一方、87カ国では平和度が低下しました。
- 国際化した国内紛争の件数は2010年以降約3倍に増加し、2023年には78カ国が国境を越えた戦争に直接関与しました。
- 紛争に関するメディア報道は極めて偏っています。2023年には、高所得国での民間人死亡者数は、低所得国の死亡者と比べて100倍以上の記事で報じられました。
2025年は第二次世界大戦終戦から80年の節目の年となりますが、報告書では「世界の紛争は戦後最多の水準に達しています」と危機感を伝えています。
(新津 尚子)
- 『2025年版 世界平和指数』報告書の原文はこちら(英語)
https://www.visionofhumanity.org/wp-content/uploads/2025/06/Global-Peace-Index-2025-web.pdf