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日本
2025.10.07

7割が「GDP成長は必要」と回答 だが「成長可能」は4割――持続可能な社会に向けた意識調査を実施

2025年3月、幸せ経済社会研究所(有限会社イーズ)は「持続可能な社会に向けた意識調査」をオンラインで実施しました。本調査は、環境・経済・倫理など、持続可能な社会に関わる多様な課題についての認知度や関心を把握することを目的としています。
調査項目のひとつとして、経済の規模を測る代表的な指標であるGDP(国内総生産)に対する人々の認識を尋ねました(図表1)。その結果、以下が明らかになりました。

  • 「日本にとってGDPが成長し続けることは必要だと思いますか?」という問いに対し、「そう思う」「どちらかと言えばそう思う」と答えた人は69.3%にのぼりました。
  • 一方で、「日本のGDPが成長し続けることは可能だと思いますか?」との質問では、「そう思う」「どちらかと言えばそう思う」と回答したのは41.2%にとどまりました。

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この結果から、GDPの成長を「必要」と考える人は約7割に達するものの、「可能」と考える人は約4割にとどまり、「必要だと思うが、実現可能ではないのではないか」という意識があることが浮き彫りになりました(図表1)。

過去の調査との比較から見える意識の変化
当研究所では、2014年・2017年・2020年にも同じ質問を含む調査を実施しています。いずれの年も、2025年調査と同様、必要性と実現可能性のあいだにギャップがあることがわかります(図表2)。

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2014年から2025年の間に見られる細かな動きは、経済成長に対する「期待」と「懐疑」が社会の中で交錯している様子が伺えます。2025年調査の自由回答では、成長が難しい理由として、「人口減少」や「地球温暖化で生産できるものが減っている」といった指摘もありました。一方で、「インバウンド」や「AI」など、新たな成長分野への期待の声もみられました。こうした多様な要因が、人々の経済成長に対する捉え方を複雑なものにしているといえるでしょう。

注目すべきは、どの年においても、「GDPの成長は可能だ」とする回答が、「成長は必要だ」とする回答を大きく下回っている点です。「経済成長は不可能と思っているのに、それでも成長を目指す」という状況は、無理やりでも、しわ寄せを生じさせても、成長しなくては!という動きにつながっているのかもしれません。「成長を続けなくても大丈夫」という、別の経済・社会のモデルが望まれているとも考えられます。

【この調査について】

  • 調査名:「持続可能な社会に向けた意識調査」
  • 実施日:2025年3月26日〜27日
  • 調査方法:インターネット調査
  • 有効回答数:1099人
  • 回答者属性:全国の20〜69歳の男女
  • 使用システム:Questant

※本調査では、年代・性別・地域(大都市/中小都市・地方)の比率が、日本の人口構成に近づくよう調整しています。
※グラフ内の数値は四捨五入しているため、本文中で複数のカテゴリを合計した数値と一致しない場合があります。


(新津 尚子)

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